ドライフラワー
フラワーアレンジメントは花束をつくるだけではなく、花自体を加工するテクニックがあり、よく知られているのはドライフラワーです。
切花や果実などを自然、もしくは人工的に乾燥させ、ドライフラワーとして保存して愉しむ方法で、フランスやアメリカでは「イモーテレス(不死の)」と呼ばれ、お墓に供える際、花輪にドライフラワーを編み込んで使われることもあります。
ドライフラワーの発祥は北ヨーロッパで、花の咲かない冬に室内を装飾するために始まったと言われていて、日本でも元禄8年に既にセンニチコウでドライフラワーは行われていました。
押し花も、ドライフラワーの一種かもしれません。
ドライフラワーは、自然乾燥法では風通しが良く湿度が低く、日の当たらない場所に逆さまに吊るしておけばいいので、家庭でもよくドライフラワーはつくられます。
シリカゲルを使用した乾燥剤による製作方法もあり、ドライフラワーにしたい花を容器に入れ、花の形を崩さないように注意しながらシリカゲルをかけます。
すべての花がドライフラワーにアレンジできるわけではなく、ドライフラワーに適した植物にはキク科の仲間が多く、バラ、ベニハナ、センニチコウなども材料として適しています。
ドライフラワーは数ヶ月間から数年間、乾いてから色や形を保ち、英語ではEverlasting Flower(永久花、あるいは乾燥花)と呼ばれます。
例えばJDA=Japan Dryflower Association(日本ドライフラワー協会)はドライフラワーを専門に扱っている団体です。
プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーは大変人気のある商品で、母の日のギフトや誕生日の贈り物などでよく売れています。
通信販売で宅配サービスなどもあります。
ブリザードフラワーとかブリザーブドフラワー、プリザードフラワーなどと名前を間違がえやすいです。
プリザーブドは英語で「生存、保持している=Preserved」花という意味で、造花ではなく、本物の花の水分を保存料に交換して、見た目も生花と同じように加工しています。
見た目が生花と変わらないのに、水遣りの必要もなく、長期間枯れることはありません。
原材料費と加工する手間がかかるため、生花よりは値段を高く設定してありますが、水遣りの手間がないことや、長期間色と形を保ったまま枯れないでいることを考えると、決して高くはないと思います。
プリザーブドフラワーはヴェルモント社がベルギーとドイツの大学(ブリュッセル大学、ベルリン大学)と10年間の共同研究を続け、開発されました。
世界特許認定を取得、枯れない生花として瞬く間に世界中に広まりました。
オーガニック系の染料や保存料を使用することで、身体にも害がなく、小さなお子さんが誤って花を口に入れてしまっても問題はありません。
着色料で加工することで、自然界には存在しないカラーバリエーションを豊富につくれることでも、高い評価を得ています。
メモリアルアートやディスプレイフラワーとして大変な人気を呼んでいます。
1〜2年は持ちますが、更に長持ちさせるためには、直射日光や高温多湿、水気のない場所で保管するとよいです。