花粉症とは
花粉症のある人にとっては年憂鬱なシーズンが毎年やってきます。
花粉症とは通称で、正式な病名ではありません。
花粉症について詳しく知ることにします。
正式にはアレルギー性鼻炎の一種で、一種であるというのは
アレルギー性鼻炎の全てが花粉症というわけではないからです。
アレルギー性鼻炎はアレルゲンと呼ばれる原因物質によって分類されていまして、ハウスダストや昆虫、ペットの糞などがアレルゲンとなっている通年性アレルギー性鼻炎は同じアレルギー性鼻炎であっても花粉症とは異なるものです。
それに対して季節性アレルギー性鼻炎というものがあり、これが花粉症なのです。
花粉症の原因といえば、スギ花粉だとおもわれがちですが、
花粉症の原因となる植物がいくつかあります。
その中でも日本はスギ花粉が多く、その花粉に反応する人が多いために花粉症=スギ花粉が原因と思われているのです。
日本はスギの花粉が多いのですが、
スギというのはまっすぐ上に伸びる針葉樹で、日本の山の風景を思い起こすとスギの木が密生している様子が思い起こされます。
スギが多い理由は日本の林業と深い関係があります。
原生林はスギばかりではなく色々な種類の木が自生していて、
最初からスギがびっしりと生えている森林というのはありません。
スギばかりが生えている山というのは人間が人工的に作り出した森林で、材木を切り出すための林業経営ですから、原生林のように関係のない木々がたくさん生えていると効率が悪いので実際に切り出すスギやヒノキだけを植林して育成しているのです。
花粉症が起こるメカニズム
花粉というのは木から飛んでくるものです。
スギやヒノキの森林は人間が人工的に作り出したとは言っても、元から自然にあった植物であることに変わりはありません。しかも花粉症の原因となる物質は約60種類もあるというのですから、森林はアレルゲンだらけのはずです。
しかし、古代の人々が花粉症に悩まされていたという話はあまり聞きません。厳密に歴史をひもとくとそんな事例もあるそうですが、現在のように日本人の10人に1人が花粉症というとんでもない高率で発症していたということはありません。
それでは、まず花粉症が起こるメカニズムについてご説明します。
身体には免疫の機能があり、花粉は最終的には体に不要なものなので、排除しようとするわけですが、その働きをするのがIgE抗体という物質です。この抗体は一度作られると、次に同じものが入り込んできた時にはその異物と結合して一緒に外に出ようとします。
抗体は自力で空を飛べるわけではありませんから、それをくしゃみで吹き飛ばしたり、鼻水と一緒に流したりしようとします。花粉症でくしゃみ、鼻水、涙が出るのは全てこの抗体の反応なのです。
逆に鼻が詰まるのはこれ以上の異物を侵入させないためです。