花粉症と東洋医学
花粉症に悩んでいるのは万国共通で、何も日本だけの話ではありません。
中国でも花粉症に悩んでいる人は数多くいます。アレルギー性鼻炎については漢方でも研究が進んでおり、優れた治療法が存在します。
漢方に代表される東洋医学は、症状に対してそれを鎮める治療を行うというよりは時間をかけて体質を改善するという考え方で成り立っているので、アレルギー性鼻炎のように体質からくる病気にはむしろ東洋医学のほうが適しているかも知れません。
さて、東洋医学と言えば漢方薬とツボです。
これらは東洋医学によって体質を改善するために実際に使われる手段ですが、それでは東洋医学では花粉症になっている状態のことをどう診断するのでしょうか。
花粉症になるとくしゃみや鼻水が止まらなくなります。
この状態を東洋医学では「水毒」と言います。アレルゲンによって鼻や目が刺激されて余分な水があふれ出てくる状態が水の毒という言葉になったのでしょう。
「当帰芍薬散」「桂枝茯苓丸」「柴胡桂枝湯」「防已黄耆湯」などの漢方薬はどれも鼻水やくしゃみのトラブルを抑える働きを持っています。つまり水毒を鎮める働きがあります。
当帰芍薬散と桂枝茯苓丸は鼻水とくしゃみに効きますが、前者は痩せ型、後者は太り気味の人に合うように作られています。
東洋医学といえばツボですが、花粉症に効くツボがあります。
「合谷(ごうこく)」といって、これは手の甲の親指と人差し指の骨の付け根が合っている部分で、他のあらゆる症状に効く万能的なツボということで知られています。免疫機能を高める働きがあるので、花粉症以外のあらゆるトラブルに効きます。刺激のしかたはもう一方の手で挟むようにします。
「三陰交(さんいんこう)」は自律神経の働きを良くするツボなので、体の調子を整えて花粉症を撃退します。場所は足の内側にあるくるぶしを太い骨に沿って指3本分上がったところです。指の先で刺激するというよりはこのあたり一帯をまんべんなく刺激するのが確実です。
薬局で売られている花粉症薬
薬局で売られている薬は医師の処方を必要としない市販薬です。市販薬である程度の効果が望めるなら忙しい人でも簡単に対処が出来ます。
市販薬は内服薬、つまり口から飲む薬と患部に直接使用する点眼薬・点鼻薬に分けられます。
内服薬の大半は抗ヒスタミン薬です。抗ヒスタミン薬については別の項で詳しく述べていますのでそちらを参照して下さい。
そこでもお話しましたように抗ヒスタミン薬は風邪薬にも使用されているものが多く、花粉症の市販薬を見ても風邪薬と同じ名前のブランドを散見することが出来ます。
例えば、「パブロン」です。
パブロンというと風邪薬にも同名のものがありますが、これは「パブロン鼻炎カプセルS」という商品があります。風邪薬と同じように抗ヒスタミン薬を使っていても花粉症に特化した薬だということです。
他にもよく名前を耳にする薬として「アルガード鼻炎ソフトカプセル」という薬があります。これは内服薬ですがカプセルの中に顆粒状の粉末が入っているのではなく、ドロッとした液体が入っているので胃の中で溶けやすく効き目が早いというのが売りです。
なお、これらの内服薬についてはひとつ注意事項があります。先ほどからお話しているように花粉症の薬と風邪薬はどちらにも抗ヒスタミン薬が配合されています。
抗ヒスタミン薬は適量を守らないとリスクがあるので、同時に飲むのは避けましょう。
点眼薬・点鼻薬には、「アルガード」「サンテALクール」「アイリスAGクール」などがあり、抗ヒスタミン薬に加えて、抗アレルギー薬であるクロモグリク酸ナトリウムが配合されている薬もあります。