入学式の服装(和装)
古来より和装はフォーマルなスタイルの基本で、現在のように楽な洋装が定着するまでは一般の人も和装で式典などに臨むのが普通でしたが、今となってはコストがかかることや何かと準備が大変なこともあって少なくなっていますが、やはり入学式などの節目となる行事は和装が似合います。
和装と言えば着物で、色々な分類があり、それらは時と場所に応じて使い分けるようになっているので、それらの知識を持っていないと、着物ならどこに何を着て行っても良いということはありません。このあたりが和装を敬遠してしまう理由にもなっています。
着物には訪問着、付け下げ、色無地、小紋という種類があり、訪問着は略礼装の社交着として利用されます。柄は最も派手になりがちで、豪華な印象があります。付け下げは訪問着と似ているのですが、染めの工程が訪問着よりも簡略なので、その分だけ模様が少なく地味に見えます。逆に言うと無難な柄が多いので、入学式や卒業式などには最も適していると言われています。色無地は基本的に慶弔用で、名前の通り無地です。そこに家紋が付いているものは正装として通用するので、入学式に正装で臨む場合には色無地でもOKです。小紋は着物の中でのカジュアルと見なされており、入学式などの式典は不向きと言われています。
入学式での和装
帯は腰の周りに巻いているベルトにあたるものですが、一番上から巻いているため常に露出しています。
最も人目にさらされるため、和装の最重要ポイントとなります。
帯は着る人によって選ぶのが基本で、独身女性と既婚女性とでは選ぶ帯が変わってきます。
年齢的にも20歳の成人式で付けていくような帯と30歳前後になって子供の入学式に付けていく帯では全く異なります。
着物の柄がカラフルなものであれば、帯は逆に単彩といってあえて違うものを選びます。
以前は色無地、黒い羽織という組み合わせが入学式の定番とされてきましたが、現在では羽織の色を黒とは限らず、華やかな紋付羽織などで着こなすという組み合わせも見られるようになりました。
新入学生よりも目だってしまわないように配慮することが大切で、着物や帯が華やかなものになった場合はバッグや草履などの小物を控えめなものにするという工夫をしたほうがよいです。
和装は洋装に比べて着ている人の数が少ないことから目立ちます。年配の方の中には和装についてのこだわりを持っている方が多く、色々な目線にさらされることになります。